今年は、平塚らいちょう(らいてふ 1886~1971)の作った「青鞜」発刊から100年目にあたる。 「青鞜」は平塚らいちょう(当時25歳)ら日本女子大学同窓の若い女性達によって発行された、月刊の文芸誌。「青鞜」とは Blue Stockingsの訳で、19世紀にロンドンで始まった黒でない緑のストッキング、転じて趣味のいい婦人の意だという。 『元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。』で始まる平塚らいちょうの格調高い発刊の辞は有名である。創刊号を飾った与謝野晶子の詩「そぞろごと」は「山の動く日来る~」で始まる。これは1989年、”山は動いた”と土井たか子率いる社会党が”マドンナブーム”を起こした時に引用された。ところで「青鞜」は文学史的にはあまり大きな役割を果たさなかったが、創刊の辞をはじめ婦人問題を世に印象づけた意義は大きいと言われている。それにしてもあれからわずか100年、現代の女性たちは当時の女性たちには信じられないほどの権利と自由を手にしている。この現実をらいちょう達は草葉の陰からどう見ているのだろうか。